ナルラ変遷の歴史
1980年に事業をスタート。最初は国内のテキスタイルや雑貨類の輸出から。

最初は本家にテキスタイルを供給することが主でしたけれど、どんどんと支社ごとに扱う商品の独自性が出てきて、この10年ほどで本家の機能はかなり薄れて、韓国は今は閉鎖しています。日本の後にミャンマーにも支社を作りましたけど、内戦などのいろんな問題が出てきてこちらも今は休止していて、ドバイとタイと日本はずっと稼働している状態です。
80年代、日本はバブル景気前の高度経済成長期を迎えた。

最初はテキスタイル一本だったんですけど、90年代に入ってくると日本国内の市場も豊かになって、海外のいろんなモノが欲しいという輸入のリクエストが増えてきたので、それに対応して最初に始めたのが雑貨ですね。主に洋食器や洋陶器。最初の頃はやり方も知らずに始めて、とりあえずドイツやイタリア、スペインなどの大きなお店や展示会などをひとりで回って、コネクションを作って業界に入っていきました。
2000年代に入ると、また状況は変わっていく。

そうしているうちに、2005年くらいからは日本の代表的なアウトドアブランドのジャケットとか求められるテイストは変わっていきましたが、基本的に扱っていたのはファッション関連の雑貨。あとは食品で例えば海外で人気のミネラル・ウォーターとか。大手量販店に入れたのも、実はウチが最初だったと思います。
ミネラル・ウォーターの本格的な輸入も、ナルラが先駆だった。

ロゴは創業時から使われている
一方で、日本国内のいいブランドを海外に輸出する窓口の仕事もやっていて、もうひとつは日本のお客さんがウチにリクエストを出してきて、海外からその商品を取り寄せて引っ張ってくるサプライヤーの仕事も。
ナルラはいろんな役割を持っている会社です。だから、ウチの強みというと、まずはネットワークが豊富。いろんなルートやお付き合い、信頼を持っているので、そのおかげでいろんな取り引きができます。
ナルラ将来への展望
こんな時代だからこそ〝伝統〟を追ってみる。
最近は新しいトレンドを追いかけ続けるよりは、どちらかというと〝伝統〟を追求しています。トレンドは今年や来年で終わってしまいますけど、〝伝統〟は、イメージで言うと京都で300年も続いている老舗のお菓子屋さんのように、デパートなどに出店しなくても向こうからお客さんがそのお店に足を運んでくるような。そういうモノを育て、ブランドや考え方を確立しながら、それを伝統として続けていくことが大事かなと思っています。
もちろん新しいシステムやツールなどは、常に取り入れたり挑戦したりしていきますけど、会社の内容や方針に関しては基本的にそういう考え方です。
近年ナルラが特に力を入れつつある分野とは。
商品では、健康・美容・食・体験(経験)に関するものですね。健康を財産にしていけるものというか、健康食材やサプリメント、美容にいいものとか。もちろん天然のものが一番いいんだけど、一般の人はなかなかそこまではお金が出せないから、それに最も近くて、質が高いものだったらいいかなと。例えば韓国の化粧品とかね。
2020年からは、そういう健康にいいもの、長く持つもの、美容や寿命にいいものに力を入れていきます。もちろん、どこかの会社から「ある商品を輸入したい」と依頼されて、弊社が取れる時はもちろん繋ぎます。商社ですから。でも、会社として今後に普及させていきたいのは、今お話ししたゾーンです。
これまでに培ってきたネットワークや経験、信頼があってこそ、今、様々な取り引きが柔軟にできる。
もともとインド政府などの行政の信頼を受けてきましたし、日本の行政とも仕事をしたり、商品を供給したり、予算を取ったり、入札に出たりしてきました。あとは、大使館などを通じて企業と企業のマッチングを手伝ったりも。だけど、正直なことを言うと、公益系の仕事はあまり会社のために利益を生み出さないので、あまりたくさんはできないですけど(笑)、社会貢献としてやることにしています。その活動によって、会社としての信頼は上がっていると思います。
最近の例では、ナルラが関わって徳島県がUAE(アラブ首長国連邦)の企業からワクチン接種用の注射器を購入したことは、ニュースでも取り上げられました(※リンク参照:徳島県のワクチン注射器 UAE企業から40万本購入へ [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル (asahi.com) )。
https://www.asahi.com/articles/ASP4H6WZCP4HPTLC00T.html
行政との仕事もかれこれもう10年以上やっていますが、自治体に呼ばれてプロフェッショナルな立場で商品をちゃんと納入できるところも、他の輸出入系のサプライヤーとは違うウチの強みですね。